Ian and Jodi, Meckering, WA イアンとジョーディ――西オーストラリア州メッカーリング

イアンとジョーディは、西オーストラリア州の「グレインベルト」と呼ばれる農業地帯の2,000ヘクタールの土地で農業を営んでいます。農場は、メッカーリングの北約21キロメートル、パースまでわずか150キロメートルの距離にあります。イアンはさらに北にある牧羊・小麦農場で育ち、ジョーディはニュージーランド出身です。 2人が現在の農場に移り住んだのは1992年。広大な土地で放牧と作物栽培を行う混合農業で、羊を飼う傍ら、小麦、オーツ麦、ライ麦、大麦、ルピナス、豆を作っています。 現代社会が直面する慢性疾患やがんの増加を憂慮するイアンとジョーディは、有害な化学薬品が含まれる食品を食することの悪影響を熟知。また、これらの有害物質が農家の健康に与える影響についても理解していることから、有機農法に切り替えることは、2人にとってごく自然のことに思われました。農場全体を徐々に有機農法に移行するプロセスを開始。完了までに8年の歳月を要しました。過去3年間、この農場は完全に有機農法で経営されています。2人は、自らの研究を通じ、土地を肥やすための生物製剤を開発。これらの製品を自らの農場で使用しているほか、他の農家にも販売しています。

Eric, Goondiwindi, Qld エリック――クイーンズランド州グーンディウィンディ

グーンディウィンディ地域のベテラン格の有機農家であるエリックは、キアラピュアフーズ用に有機大麦、ソルガム(たかきび)、亜麻仁(あまに)、ホワイトフレンチミレット(きびの一種)を栽培。 最近では、グーンディウィンディの最初の農場からほど近い、イエラーボン地区にもう一つの農場を含める形で事業を拡大。この新しい農場は最近、3年がかりの漸次転換プロセスを経てエリックの有機農業に対する信念が実り、有機栽培農場の認定を受けています。 イエラーボンの農場は、潅漑(かんがい)設備があることから、作物が干ばつの影響にさらされる可能性が低いため、より安定した供給が可能です。 エリックは、2つの農場の事業管理を行う傍ら、堆肥事業も経営。そこで作られた堆肥は、エリックの農場の有機土壌にも利用されています。

Kevin, Emerald, QLD ケビン――クイーンズランド州エメラルド

クイーンズランド州中部にあるケビンの1,200ヘクタールの農場は、彼がキアラピュアフーズに供給するひよこ豆やソルガム(たかきび)にとって、絶好の栽培条件が整っています。 毎年、ケビンは約200ヘクタールに輪作作物としてひよこ豆を植え、残りの1,000ヘクタールでソルガムや小麦などの穀物を栽培しています。マメ科の植物であるひよこ豆を輪作に使用すると、土壌中の窒素が回復することから、次の年にどの作物を植えても、この必須元素がたっぷり含まれた土地で栽培を行うことが可能。 さらに次の年には、別の200ヘクタールの土地にひよこ豆を植えることで、多くの養分を必要とする小麦やソルガムなどを育てた土地を順番に休ませ、地力を回復させています。 輪作は、有機農法において重要な手法の一つです――通常の農業では、毎年、尿素などの合成肥料を使用して窒素を回復しています。 土地を肥やし健康にするために欠かせない元素である窒素は、植物を緑色にする葉緑素の構成要素です。従って、窒素は、メイズ、ポップコーン、ソルガムなどの緑色作物にとって特に重要です。窒素が足りないと、植物は発育が阻害され、うまく育ちません。

Derek and Fiona, Guyra, NSW デレクとフィオナ――ニューサウスウェールズ州ガイラ

デレクと妻のフィオナが生活と仕事の場にしているのは、ニューサウスウェールズ州ニューイングランド高原のガイラから約40キロ離れた場所。 かねてから農業に従事してきたデレクは、化学薬品で解決できない問題を解決するための方法として、自然農法を実践し始めました。20年前には自らの農業の経験を生かし、地元農業訓練学校の講師に就任。現在、農家らが学ぶ有機農業・園芸学の実践コースでは、有機栽培や生物学的なメリットのある手法を応用する方法について教えています。 デレクは牛や羊、鶏のファームを所有。その近くにある、キアラピュアフーズのためにそばを栽培していた100ヘクタールの農場の管理も行っています。現在のオーナーであるステファンが数年前にその土地を購入した際、酷使された農地はひどい状態にありました。ステファンはデレクに、その土地を管理し、土壌の生物学的多様性を回復させるよう依頼しました。状態の悪化した農地を回復させるには多くの資金と労力が必要ですが、デレクとそこで働く農家らにとって、努力のしがいのあることでした。   デレクが作物の栽培に使用する方法は、土壌、ひいては農産物がバランス、健康、栄養素の全ての面で最高の状態になるようにするもの。   デレクとフィオナは、子どもたちのために土地をもっと良い状態にしてあげたいと考えています。2人はそれが可能であると確信しており、また、他の農家が同様の結果が得られるように支援しています。

Matt & Stephen, Springsure, Qld マットとスティーブン――クイーンズランド州スプリングシュア

マットとスティーブンは、クイーンズランド州中部のスプリングシュアの西約50キロメートルにある農場で、緑豆、ひよこ豆、大麦、ホワイトソルガム(たかきび)、きびなど、さまざまな作物をキアラピュアフーズのために栽培しています。 農場で育ったマットは、ディーゼル機関の機械工になり、周辺の町で働きました。その間、父のスティーブンは、農場で働き続けました。 2015年、機械工の仕事に嫌気が差したマットは、自分と家族のために生活環境を変えようと決心。農場に戻ると、化学薬品を使うのをやめ、自身や家族の健康だけでなく、農地の健康維持にも役立つ農法を追究し始めました。 やがて、収量増や、自然に有害生物に強い作物が育つなど、栄養状態の良い土壌のありとあらゆる利点を理解するようになり、土地の回復に真っ先に取り組みました。 今では、牛ふん、自生の微生物など、農場内で調達されるものを基にしたバイオ肥料を活用。作物の品質向上や、有害生物の問題の軽減のほか、窒素、炭素、複合生体鉱物の土中濃度の改善といった、好ましい結果を得ています。 有機栽培農家の成功は、こうした科学的な面ばかりでなく、畑の観察や試行錯誤から得られる経験、さらには自然に逆らうのではなく、いかに自然と共生するかに懸かっています。 現在、3世代が農場で生活。マットの3人の子どもたちは、就学年齢になれば50キロもの遠距離通学をしなければなりませんが、有機農場の健康的なライフスタイルは、便利な都会での生活に勝るというのが家族の考えです。

Rob, Dalby, Qld – クイーンズランド州ダルビーのロブさん

約10年前に綿栽培から有機栽培にくら替えしたロブさん。両親の営む農場で、仕事を手伝いながら育ったといいます。現在、コンダマイン川近くの約200ヘクタールの農地をシェアファーマーとともに所有。キアラ向けに、キビ、小麦、ソルガム、ひよこ豆、カムットなどの作物を栽培しています。 特に関心を寄せているのが、有機農家が利用できそうな新技術の研究。新たな手法により、化学肥料や、雑草を駆除するための化学薬品の散布といった従来の農業手法が不要になるといいます。 ロブさんによると、多くの農家が何年もの間、農薬を散布してきた結果、除草剤の効かない除草剤抵抗性雑草が出現しているとのこと。その結果、多くの農家は最近、より有機的な方法によって雑草駆除や土壌の健康状態を管理しているそうです。 欧州連合や米国など、他の先進国の農家とは異なり、オーストラリアの農家は、農業収入を補うための国家補助金を毎年受給することはできません。ロブさんは、柵張りや収穫の仕事、トラック運転手をして農業収入を補っています。ですから「二足以上のわらじを履く」人だということが言えます。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください。

Geoff, Cecil Plains, Qld – クイーンズランド州セシルプレインズのジェフさん

ジェフさんは元々、スペシャルティ有機穀物に高値が付くのを見たことがきっかけで、有機農法を始めたといいます。通常農法では作物に大量の化学薬品を使用しなければならないことにも懸念を抱いてもいました。 ジェフさんは、土壌の健康状態を改善するため、肥料に堆肥を使用。異なる種類の堆肥で実験を行い、結果を比較した経験から、堆肥こそがより良い作物を栽培する秘けつであると結論付けました。オーストラリア国内の有機食品の今後の動向について高い関心を抱くとともに、他の農家も有機認定を受けることができるよう協力し、働き掛けることを喜びとしています。 食品に含まれる化学薬品の健康への影響について知っているからこそ、有機農法は「社会に対する善行」の一種であると考えているとのこと。 ジェフは、小麦、メイズ(とうもろこし)、ポップコーン、ソルガム(たかきび)、そば、亜麻仁(あまに)、ひよこ豆など、さまざまな作物をキアラピュアフーズ向けに栽培。 ジェフの家族は、1945年以来、この地域で農業を営んできました。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください。

Talbot, Yuleba, Qld – クイーンランド州ユレバのタルボットさん

タルボットは、キアラピュアフーズ向けに小麦とKAMUT®コーラサン小麦を栽培。 タルボット家は、約100年にわたりユレバ地区で農業を営んできました。当時、全ての農業活動は「オーガニック」(有機農法)でした。現在は、非有機と有機農業を同時進行。全8,500ヘクタールの農地のうち1,200ヘクタールを有機農法に割り当てています。後者においては、人工肥料はもとより、殺虫剤や除草剤などの農薬を使用していません。 有機農法では、人工肥料を使わないため、通常農法と比べて作物の収量が少なくなります。このことが、通常農法による作物よりも高価である理由の一つです。それでも、タルボット農場では先季、かなりの収量を達成。通常農法による小麦の収量が1ヘクタールあたり約1.6トンだったのに対し、有機小麦では同1トンを若干上回る収量を記録しました。 タルボットさんは、家族の功績を誇りにするとともに、この先の100年間もこの地域で農業を営むことができることを期待しています。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください。

Mike, Springsure, Qld – クイーンズランド州スプリングシュアのマイクさん

マイクさんは、ホワイトソルガム(白たかきび)、ヒマワリ、硬質小麦(パン生地に最適)、軟質小麦(ケーキ作りに適する)など、さまざまな作物をキアラ向けに栽培しています。 クイーンズランド州中部に2400ヘクタールの有機農地を所有。1963年に家族が取得した土地です。スプリングシュアの外れにある農場で妻と2人の娘と暮らすマイクさん。 とうもろこし、ソルガム、ヒマワリはどれも夏まき(1月)1年生作物です。マイクさんは、夏季の降雨状況を考慮して、どんな作物を作付するかを決定します(何も作付けしない場合もあります)。 オーストラリアでは小麦は冬作物で、5カ月かけて栽培した後、10~11月頃に収穫します。 有機農家は、主な作物の次の作付けまでの裏作期に豆科植物を栽培することで土壌に窒素を戻します。堆肥化によっても、窒素とカリウムの含有量を増やすことができ、土地の肥沃度が改善します。通常の農法では、これは工場で製造された肥料によって行われます。 有機作物の出来不出来は、土壌の栄養分について農家がどれだけ熟知しているかに左右されます。とは言え、最終的に作物の出来を決めるのは、どんな場合でも天候であり、どんなに優秀な農家でもこれをコントロールすることはできません。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては。 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください。

Casey, Dalby, Qld – クイーンズランド州ダルビーのケイシーさん

ウエスタンダーリングダウンズ地区のダルビーにほど近い、100ヘクタールの農場をシェアファーミングするケイシーさん。 この地域の肥沃な黒い堆積土はアルカリ性の重粘土です。この種の土壌は、水分保持力が非常に高いことから、オーストラリア国内でも最高品質の穀物を作ることができます。 シェアファーマーのケイシーさんは、農場には住まずに自宅から通勤。シェアファーマーは、作物の売り上げの一部を農場所有者に支払います。農地の所有者でなくても農業を始められるので、特に若者に適した農業形態です。加齢とともに仕事量を軽減したくなった農場所有者側にとっても、メリットがあります。 ケイシーさんは、キアラ向けに小麦やとうもろこし、ソルガム(たかきび)を栽培。とうもろこしは夏に作付けをし、秋に収穫します。その他の作物の作付けは、その時期の降雨量にもよりますが、だいたい5月頃。収穫は、10月末頃に行われます。 ケーシーがキアラピュアフーズ向けに栽培する他の作物は、そば、緑豆、スペルトなど。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては… 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください

Phil, Westmar, Qld – クイーンズランド州ウェストマーのフィルさん

セントジョージの東、200ヘクタールの農場で、キアラ向けに小麦、リンシード(亜麻仁)、緑豆を栽培するフィルさん。 有機農場認定を受けた義父の農場を「シェアファーミング」しています。シェアファーミングとは、農家が土地の所有者に売り上げの一部を地代として支払うことをいいます。これにより、広い土地を所有していなくても農業が可能です。 実は、フィルさん夫妻の住まいは、ここから南に300キロ離れたニューサーウスウェールズ州モーリーにある自分の農場です。作物を管理するため、2つの農場を行き来しています。移動には車で3時間かかります。それでも、作付けや収穫のため北へトラクターで移動した場合は、はるかに時間がかかります。 土地は、作付けを重ねるごとに痩せていきます。通常農法で使用される殺虫剤もまた、土中の微生物量に影響を及ぼします。 収穫量を改善するため、フィルさんは土地の肥沃度や微生物含有量を高めようとさまざまな方法を試しています。 堆肥のほか、農家が「マジックグープ(魔法のドロドロ液)」と呼ぶ混合物を使用。これはビタミン類、ミネラル分、アミノ酸、タンパク質、酵素、炭水化物、有機物を混ぜたものです。 これらの方法を使用することで、時間とともに土中の微生物の活動が増していきます。 こうすることで、栄養分が植物に行き渡り、ひいては悪天候にも耐えられる、栄養価の高い作物ができます。 農場から出荷された穀物が、製粉所に到着後、どのような工程を踏むかについては 動画による製粉所バーチャルツアーをご覧ください。